「線は、僕を描く」砥上 裕將

水墨画をまったく知らない私が、文章で表現される世界で水墨画の魅力を知ることができた気がした。水墨画は絵だけれど、音楽のような、その瞬間に完結する芸術のように感じられた。

そして、水墨画を通し何かを表現することは、単純に描くということだけでなく、自分の内面を表現することの方が大きいと、教わった気がした。芸術に携わる人たちの心の動きをとてもうまく言葉で表現されていると感じた。

「この作品が映画化」と書かれていたが、水墨画を背景としたこの作品を文字で表現しているところに、この作品の凄さがあると感じている。逆にまた、この感覚、世界観を、映像で表現することも難しいだろうと感じた。

重複になるが、一般的に視覚から入る情報を文字のみで表現し、それを読者と共有し、共感や感動を与えているこの作品は、本当に素晴らしいと感じた。

内容(「BOOK」データベースより)

水墨画という「線」の芸術が、深い悲しみの中に生きる「僕」を救う。第59回メフィスト賞受賞作。 –このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。

著者について

砥上 裕將
1984年生まれ。水墨画家。本作で第59回メフィスト賞を受賞しデビュー。 –このテキストは、kindle_edition版に関連付けられています。