心理学「一貫性の原理」

人は、自分がやり続けてきたことや、言い続けてきたこと、信じ続けてきたことをなかなか変えられません。

そして、それまで見せてきた自分と矛盾なく振る舞わなければいけないという根拠のない思い込みに、無意識に縛られています。この現象を心理学では「一貫性の原理」と言います。

一旦、「あの人は嫌いだ」と一度公言してしまうとたとえ、後から「案外いい奴だ」と見直しても、なかなか仲良くできないことがあります。

この背景には、人間自身が本当は一貫していないといけないという現実があるのです。だから「一貫しているべきだ」という認知が働いているのです。

気をつけていないと、人は自身の一貫性についてあまりに強く縛られているために思考を柔軟に巡らすことができないという罠にハマってしまうこともあります。

(参考)「人は、なぜ他人を許せないのか?」中野信子

一貫性の原理(いっかんせいのげんり)は、人間の持つ心理の一つである。

人には、自身の行動、発言、態度信念などを一貫したものとしてあらせたいという心理があり、これを「一貫性の原理」と呼ぶ。この心理の根底には、一貫性を保つことは社会生活において他者から高い評価を受けるという考え、複雑な要因の絡み合った社会生活での将来的な行動決定においてより簡易に行動を決定することができるなどの要因があるといわれる[1]

例えば買い続けている月刊誌が内容が面白くないと感じても、新刊が出るとつい買ってしまったり、好きな歌手のCDだからという理由だけで買ってしまうという行動などである。また一旦観だした映画はたとえ途中で面白くないと感じた場合でも、最後まで見てしまうなどなどが例として挙げられる[1]

「自らが何らかの物事にかかわりを持っている」場合と「他人に注目されている」場合には特に一貫性の原理が働きやすい。前者では人から手伝いを頼まれ引き受けると2度目以降も断りにくくなるといった例、後者では禁煙を実行する際に一人でするよりは家族や友人、同じ目的を持つサークルなどの中で宣言して行う場合のほうが成功しやすいなどがあげられる[1]

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』