記憶の連続性の途切れた人間は、同じ人間として生きていると言えるのか「僕は僕の書いた小説を知らない」喜友名トト

僕は僕の書いた小説を知らない (双葉文庫)

 

Kindle本を耳読しています。

読み終えるまでの平均的な時間(3時間44分)

「記憶の連続性の途切れた人間は、同じ人間として生きていると言えるのか。」

事故で前向性健忘になった、主人公のセリフです。

短期の記憶が蓄積されないという恐怖の中、昨日までの自分と今日の自分をつなげる工夫をして、生活を続けている主人公。

覚えていないかもしれないけれども、恋愛する気持ちが体の中に生まれているのではないかという友人からの言葉に戸惑います。

毎回、初めて会う感覚の女性に、不思議な感覚が芽生えることは、脳の記憶としての連続性はないが、身体全体で覚えている感覚が脳の記憶を超えて、本人に伝えているものだろう。

1日1日の記憶しかない主人公であるが、その中でもハッピーな日やどうでもよくなる日やが存在していて、その中で1日1日をもがきながら生きている様子を見て、気づくと心の中で応援していました。

また、作中によく出てくる、主人公の言葉にはならない内言語でのツッコミや、視点のセンスが、私的にはとてもいい。

juneberry-miyatomo.hatenablog.com

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