父のこと #2冬のハイキング

父は、ハイキングや山登りが好きで、

近くの山へよく連れってもらったことを思い出した。 

 

こう言ったが話される時に、いつも語られるのは、

 

私が幼稚園に通っていた頃

ある冬の休日、父と一緒にハイキングへ行き

行った先でボートに乗ったが

冬の冷たい池に落ちてしまって•••

 

ひどいお父さんという話。 

 

でも、よくよく考えると 

 

そんな、面倒くさいことをやってもらったんだ

と思い返した。

 

 

もし、私の息子が4、5歳の頃に

 

「私一人で電車に乗せてどこかへ連れて行こう」 

 

なんて、これっぽっちも思わなかった。 

 

グズグズ言われたら困るし 

歩かなくなっても、私ひとりだと大変だし・・・。 

 

 

そもそも、実家には車はなかった。 

父も母も免許はもっているけれど、ペーパードライバーで 

不自由のない場所に住んでいたので、確かに困ることはなかった。

 

当時33、4歳だった若き日の父は 

もしかしたら

「父親らしいことをやってやろう」

と思ったのかも知れない。 

 

私は、冬の池に落ちた事だけを覚えている。 

その直前に写真を撮っていたような気もするが 

ボートの端につかまっている映像だけを覚えている。

 

 

今考えれば、池から引き上げたあと

ずぶ濡れの私を、父はどうしたのだろうか•••

 

さぞ大変だっただろうと思った。 

 

 

ずっとこの話になると 

「小さい子を冬の池に落としてしまうなんて」 

という結論になっていたし

 

私も小さい頃から、被害者みたいな顔をしていたが

 

小さな子どもを連れて 

電車を乗り換えて、ハイキングをして 

一日世話をするのは、とても大変なことだ。 

 

ましてや昭和の父親世代にとっては 

どうだったのだろう。

 

思い出して、考えてみると 

うるっとしてしまった。 

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